極上御曹司のイジワルな溺愛


「恋っていうものは、人に教えてもらってするもんじゃないでしょ。自分で気づかなきゃ意味ないの。わかった?」

「偉そうに……」

自分のほうがちょっと先に進んでるからって、先生みたいに教えを説かないでもらいたい。

でも麻奈美が言ってることもあながち間違いじゃないから、これ以上文句をいうのは控えておく。

「良かったじゃない。近くに白馬の王子が落っこちてて」

「蒼甫先輩が、白馬の王子ねえ……」

確かにそんな事を言った記憶があるけれど、あのときは一人暮らしをする前で精神的に不安定だったから、寂しさのあまりに出て言葉だ。実際に白馬の王子が落っこちてるわけないし、ホントに落っこちてたらそれはそれで気持ち悪い。

「さて、この話はここでおしまい。仕事、仕事」

おしまいって、この話を振ったのは麻奈美の方なのに勝手なもんだ。

そう思いながらも、少し心配な案件を抱えている私はすぐに気持ちを切り替え必要な書類を抱えると、一階のサロンへと向かった。