~過保護な幼馴染×2~
「じゃあ、天都とだけ付き合えばいいのに」
「そうだよ、つか見てて不安だわ」
いつの間にやら汐音の両サイドに立っていたのは、親友二人だった。
___________________________________________________________________ <プロフィール>
名前:本田愛衣(ほんだ めい)
性別:女
所属:2年1組(旧1年2組)
備考:汐音の過保護な親友。
一言で言うと:過剰な過保護
__________________________________________________________________
<プロフィール>
名前:小峯響(こみね きょう)
性別:男
所属:2年1組(旧1年1組)
陸上部
備考:汐音の過保護な親友。あくまで親友
一言で言うと:異常な過保護
__________________________________________________________________
「そうは言うけどさ。そういうんじゃないんだよ」
「モテるのはわかるけどさ、だから周りの女子にあぁいう目で見られるんだよ」
ふぅ、とため息をつきながら響はクラスを指差した。
女子たちはヒソヒソとこちらを見ながら話をしている。
(ホント信じらんない)
(彼氏何人いるのよ)
(あぁやだやだ気持ち悪い)
(あんな男みたいな子のどこがいいのか)
「あんの女子ども・・・殴ってくるか」
「まって愛衣ちゃん、いいから。まぁ確かに彼氏8人って普通じゃないもん」
そう。汐音には彼氏が8人いる。理由は8人が同じ日に告白してきたから。
メール、手紙、直接、など方法はさまざまだったが、共通して
「返事は今日中に」だった。思い切って8人を呼び出し、事情を説明すると
「じゃあ、8人と付き合っちゃえば?」という勝俊の軽い返事に、
反対したのは安部一人だけだったのでこういう形になった。
抜け駆けはなるべく禁止。「絶対」でなく「なるべく」なのは、相手が中学生男子だから。
しかし基本はどこへ出かけるのも8人一緒ということになる。それは学校での生活も同じだった。
それにプラスして先ほどの過保護二人が加わり11人。
学校ではこの計11人を「潮田ハーレム」と呼ぶ。
当然のことながら、同姓がそれをみていい思いをするわけが無い。
嫌がらせを受けるのはいつものことだ。それでも一人に絞ろうとはおもわない。
少なくとも8人の彼らが、自分のことを嫌いにならない限り一緒にいるのだとおもう。
「・・・だって俺、みんなのこと大好きだもん」
「いいんちょおおおおおお」
汐音が呟いた瞬間、汐音を貴大が抱きしめる。
「うぁ!?ちょ、安部ちゃん!?」
「安部このやろう汐音ちゃんから離れろ」
すかさず響が安部の背中へ蹴りを入れ、愛衣がみぞおちへパンチを入れる。
「ふぐっ・・・なんか俺さっきから蹴られたり踏まれたり、殴られたり散々だな」
「いつもだろ」
「つうか俺らの前で汐音ちゃんとイチャつくんじゃねぇよ馬鹿」
「この間かっちゃんが委員長と手つないでた時は何もしてなかったじゃん!」
「それはかっちゃんだからだ」
「じゃあ帰りのバスで輝樹が膝枕してもらってたときは?」
「それは水沢だから」
「・・・ヤマとイチャ付いてたときは?」
「それはヤマだから」
「・・・天都が・・・」
「天都は何をしてもいいんだ」
「はぁ!?」
ふざけんなよ、とでもいいたそうな顔をする貴大に、響はしれっとこう言った。
「あぁ、あいつらだからいいんじゃないか、安部だからダメなんだ」
「理不尽!」
「さぁて、そろそろ教室戻るか」
「おい人の話聞けよ!」
「安部ちゃん、戻ろ?」
「はーい」
「お前も汐音ちゃんには頭が上がらないな」
貴大の姿を見て、みんなが笑顔を浮かべる。
その笑い声に包まれ、汐音の今日一日はスタートするのだった。
この話は、8人の恋人をもつ汐音とその彼氏である8人とちょっと過保護な親友2人を中心に、
彼女たちが卒業するまでの一年と二ヶ月くらいの物語。
______________________________________________________________________
「8人と付き合ってるみたいだけど、誰か一人に絞らないの?」
「うん、だって俺・・・8人みんな、大好きだから」
プロローグ 完
「じゃあ、天都とだけ付き合えばいいのに」
「そうだよ、つか見てて不安だわ」
いつの間にやら汐音の両サイドに立っていたのは、親友二人だった。
___________________________________________________________________ <プロフィール>
名前:本田愛衣(ほんだ めい)
性別:女
所属:2年1組(旧1年2組)
備考:汐音の過保護な親友。
一言で言うと:過剰な過保護
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<プロフィール>
名前:小峯響(こみね きょう)
性別:男
所属:2年1組(旧1年1組)
陸上部
備考:汐音の過保護な親友。あくまで親友
一言で言うと:異常な過保護
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「そうは言うけどさ。そういうんじゃないんだよ」
「モテるのはわかるけどさ、だから周りの女子にあぁいう目で見られるんだよ」
ふぅ、とため息をつきながら響はクラスを指差した。
女子たちはヒソヒソとこちらを見ながら話をしている。
(ホント信じらんない)
(彼氏何人いるのよ)
(あぁやだやだ気持ち悪い)
(あんな男みたいな子のどこがいいのか)
「あんの女子ども・・・殴ってくるか」
「まって愛衣ちゃん、いいから。まぁ確かに彼氏8人って普通じゃないもん」
そう。汐音には彼氏が8人いる。理由は8人が同じ日に告白してきたから。
メール、手紙、直接、など方法はさまざまだったが、共通して
「返事は今日中に」だった。思い切って8人を呼び出し、事情を説明すると
「じゃあ、8人と付き合っちゃえば?」という勝俊の軽い返事に、
反対したのは安部一人だけだったのでこういう形になった。
抜け駆けはなるべく禁止。「絶対」でなく「なるべく」なのは、相手が中学生男子だから。
しかし基本はどこへ出かけるのも8人一緒ということになる。それは学校での生活も同じだった。
それにプラスして先ほどの過保護二人が加わり11人。
学校ではこの計11人を「潮田ハーレム」と呼ぶ。
当然のことながら、同姓がそれをみていい思いをするわけが無い。
嫌がらせを受けるのはいつものことだ。それでも一人に絞ろうとはおもわない。
少なくとも8人の彼らが、自分のことを嫌いにならない限り一緒にいるのだとおもう。
「・・・だって俺、みんなのこと大好きだもん」
「いいんちょおおおおおお」
汐音が呟いた瞬間、汐音を貴大が抱きしめる。
「うぁ!?ちょ、安部ちゃん!?」
「安部このやろう汐音ちゃんから離れろ」
すかさず響が安部の背中へ蹴りを入れ、愛衣がみぞおちへパンチを入れる。
「ふぐっ・・・なんか俺さっきから蹴られたり踏まれたり、殴られたり散々だな」
「いつもだろ」
「つうか俺らの前で汐音ちゃんとイチャつくんじゃねぇよ馬鹿」
「この間かっちゃんが委員長と手つないでた時は何もしてなかったじゃん!」
「それはかっちゃんだからだ」
「じゃあ帰りのバスで輝樹が膝枕してもらってたときは?」
「それは水沢だから」
「・・・ヤマとイチャ付いてたときは?」
「それはヤマだから」
「・・・天都が・・・」
「天都は何をしてもいいんだ」
「はぁ!?」
ふざけんなよ、とでもいいたそうな顔をする貴大に、響はしれっとこう言った。
「あぁ、あいつらだからいいんじゃないか、安部だからダメなんだ」
「理不尽!」
「さぁて、そろそろ教室戻るか」
「おい人の話聞けよ!」
「安部ちゃん、戻ろ?」
「はーい」
「お前も汐音ちゃんには頭が上がらないな」
貴大の姿を見て、みんなが笑顔を浮かべる。
その笑い声に包まれ、汐音の今日一日はスタートするのだった。
この話は、8人の恋人をもつ汐音とその彼氏である8人とちょっと過保護な親友2人を中心に、
彼女たちが卒業するまでの一年と二ヶ月くらいの物語。
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「8人と付き合ってるみたいだけど、誰か一人に絞らないの?」
「うん、だって俺・・・8人みんな、大好きだから」
プロローグ 完

