漸く病院に付けば先生は駐車場に車を止めるため一旦あたしと俊を降ろしここで待ってるように言われた。

 あたしは今にも走り出しそうな俊の手を離さまいとぎゅっと強く握った。



 先生は走ってこっちに来れば事前に部屋の番号を聞いていたようで、あたしと俊を両側の手でぎゅっと握りしめながら白い病院内を進んでいった。










 暫く進めば見知った人達が目の前に現れ私は先生の手を振りほどき駆け出した。



「おばあちゃん!!おじいちゃん!!」



 おばあちゃんは泣きながらあたしを受け止めれば強く、強く抱き締めた。


「ゆうちゃん!ゆうちゃん……!」

 周りを見れば皆が泣いていた。あのお父さんに厳しいおじいちゃんも涙を流していた。


「お母さんは、お父さんは…?」

 そう聞いたおばあちゃんはより一層涙を流し嗄れ声で何かを言おうとした。
 けどその異変に直ぐ様勘づいた俊は先生の手を無理矢理振りほどき閉ざされた病室の中へと入っていった。



「俊!!」

 あたしもそれに続き後を追うように病室に入れば目の前に飛び込んだ光景に身体がびくついた。


 どちらかの息を飲む音がした。








「美佐、美佐…………!!」

お母さんの名前を何度も呼ぶおばあちゃんとおじいちゃん、おじさんおばさん達がいた。

 この人達はお母さんの家族、部屋の前にいたのがお父さんの家族。

 その人達が囲んでいたのは




「おと…さ、おか「お父さん!お母さん!」

 あたしの声を遮る様に部屋中に俊の声が響いた。