「っしゃー俊、部活行くぞ!」

 長い授業は漸く終わり、放課後になった。
 同じ部活の一人である友人が俊の元へ声を掛けた。



「悪い、俺今日は帰るわ」

「まさか、部活だけは真面目な俊ちゃんがサボるなんて」


 わざとらしく口元に手を当てて驚く友人に俊輔は溜め息しかでなかった。


「ったくお前は一言多いんだよ。ちゃんと前以て顧問には許可とってんだよ。んじゃあな」



 俊輔はそう言うとドアに向かい、手だけ後ろにいる友人に向けて数回振り出ていくのだった。






 部活には真面目に参加をし、副部長を勤めるまで励んでいる俊輔が休むことに周りの者達も理解していた。その為教室に残っていた生徒達は若干驚いていた様子だが、友人だけが今何の時期か思い出し口ずさんだのだった。







「あ、そうか……今週だったんだな」












今日が何の日か、それを知っているのは俊輔と仲がいい数名しか知らないのだった