「おい~早くしろよ響!!電車出ちまうだろうが!!」
「なんで電車なんだよぉ;車で行けばいいじゃんか~」
「ば~かお前!!ば~かば~か!!」
「むっ」
「車奥駐車場がないんだよバーカ!!」
「##」



おれの名前は辻村響。
22歳会社員。
社会人バスケをしている。



「そんなバカバカ言うなよ、凹む;」
「ばーか~」


この偉そうなやつは中森亮太。22歳。
高校の時同じバスケ部で、大学は別だった。
今はフリーターをしている。
こいつの誘いで社会人バスケを始めた。
よく言う腐れ縁ってやつ?



「間に合った~~!!」
「なぁ・・・やっぱおれも行かなきゃだめ??」
「は!??」
「だってやっぱ・・・ダルイ」
「てめぇマジなぐるぞぉ!?」


今日はあるバンドのライブ。
俺は全く知らないバンド。
亮太が好きなんだ。
インディーズってやつらしいけど,なかなかチケットがとれないらしい。

べつにライブは嫌いじゃない。
でも知らないバンドの歌を聴いて盛り上がれる自信もない。

「なんだっけ、バンド名?」
「『SHINE』だよッッ,シャ・イ・ン!!!」
「なんで輝いてんの?」
「てめぇ##」



断る気になれば断れた。
でも『チケット2枚とれたどぉお~!!』なんて無邪気な姿の亮太に,『行かないよ』なんて言えなかった。
でもやっぱダルイ・・・・;


「てか,そういえば亮太,彼女は??彼女と行けよぉ」
「・・・・・・・・。」
「・・・・あれ?;まさか??」
「女なんて嫌いだぁあ!!!」




あ~・・・ふられたのね;










電車は満員ではないけど,座れるイスはなかった。
俺たちはドアの近くを占領して,たって話をしていた。