蕾~始まりへの旅~

突然の出来事にとっさに反応して、あたしは激しく彼の手を振り払った。

「藤沢、俺‥」
「止めてよ!」

その後の言葉を聞きたくなかった。

あたしは叫んで、荷物をつかむと店を飛び出た。


その後、谷山からはいっさい連絡がなくなった。あたしの方からはもちろん出来るはずなかった。


何週間か経って、やっと記憶も薄れてきた頃、会ってしまった。彼と。しかも、かなり気まずいシチュエーションで‥。