ぶらぶら街を歩いていると見覚えのある顔を見つけた。
つい数日前に出会った谷山の恋人、華田さんだった。

あたしは目を疑った。

隣りには知らない若い男性。仲良く腕を組んで歩いていた。
谷山が知らない男性になっているだけで、華田さん自身の様子はまったく変わってなかった。楽しそうにキャッキャと騒いでいる。

まさか‥。いや、でも、お兄さんなのかもしれない。(全然似てないけど。)それか、仲の良い親戚の人かも‥。

あたしはなるべく迂回した考え方で、その場から立ち去ろうとした。

だけど、次の瞬間、信じられない言葉が耳に入った。