「ふ~ん‥。彼女ねぇ‥。」

数日後、あたしは久しぶりに真璃と会った。
そして、いかにもさりげなく例の話題をあげてみた。

「へこんでないみたいね。」
「当たり前よ。」
にやにやして顔をのぞく真璃にきっぱりと言う。

「次は亜紀奈の番だよ。早くいい人見つけなって。」
せわしなくケーキを口に運びながら、真璃は目を細めて笑顔を向けた。あたしは難しい顔をして黙って目の前のチーズケーキを見つめていた。

「いつまでも引きずってるわけにもいかないでしょ。」
あたしの態度に気づいて、真璃は優しくたしなめる。