「あぁ、幼なじみの藤沢。こっちは彼女の華田美由。」

あたしは黙ってお辞儀した。彼女という言葉が変に胸に残る。でもそんな心と正反対に顔は満面の笑みだった。
華田さんもにこやかに会釈する。愛想は良さそうだけど、何を考えてるのかまったくわからなかった。
谷山はちぐはぐな笑顔を浮かべて、そそくさと華田さんを連れて立ち去った。

なんだか気が抜けて、あたしは大きなため息をつきながら、2人を見送った。