放課後…


廊下で待っている純也に気がついていた。


でも…


気持ちが前に進まなくて、顔を見ることさえ抵抗がある。


周りの男子達も、昼休みの出来事を知っていて、璃音に近づかなかった。


「璃音~帰るぞぉ~」


背筋がぞっとした。


どれだけ優しい言葉をかけられても、昼休み…純也の不快な行動を、璃音は許すことができない。


帰りに、純也との関係を終わりにしよう…今ならまだ間に合う…そう思っていた。


純也の気持ちを考えるなんて、璃音の状況では考えられなかった。


ただ、自由になりたくて、束縛される恋愛に怖くなっていて…


考えるだけで、胸の痛みは増していた。


もしまた傷つけられても、逆に優しくされても、気持ちを変えることだけはできない…


そう思っていた。