背中のアザと束縛の愛情

それでも食べ終わった純也はおかまいなしに、璃音を見ていた。


「なぁー璃音?お前の母ちゃん、ハシの持ち方って教えてくれなかったの?」


「えっ…ハシ…持ち方?」


「ハシ…きちんと持った方がいいぞ~何か変…」


何?


今私って、怒られたわけ?


ハシの持ち方って…あんた私の父さんじゃないんだから…


食べる気力を、一気になくした。


美味しくて、楽しかった昼食時間が、何だかブルーな時間になって~


気がつかないうちに、表情がふてくされていたのかもしれない…


純也の左手が璃音の頬を摘まんでいた。


「痛い…止めて…」


思わず出た言葉に純也は笑いながらいう。


「璃音は俺の彼女だろう~俺が変だな~って思うことは、直せ~フフッ…」