背中のアザと束縛の愛情

何だかムカついていた。


これが彼女になれって言ってきた人の態度?


肩ひじをついて、窓の外を、イラッとしながら見ていた私の左頬に、純也の右手が触った。


「えっ!何?」


「璃音髪…ポテトと一緒に食っちまうぞ…フッ…」


妙にドキッとした自分がいた。


触れた指先が、璃音の怒りを静めていた。


「璃音~俺お前が好きなんだ。俺の彼女になってくれるよな~」


自分でもわからなかった。


何故か純也を見ていると、暗示にかかってしまったように、身動きがとれなくなる…


それだけ純也は、どこかで璃音の心に入りこんで、純也の冷ややかさの中にある、何か魅力にひかれていたのかもしれない…


「璃音~今日から俺の彼女…いいかい?」


「う…ん…」


その後のポテトとコーラ。


どう食べて飲んだかなんて、覚えてはいない。