遠くから見ているのが好きだった。 彼がキャンバスに向かって絵を描く背中が好きだった。 でも、その背中にその手が届くことはなかった。 彼は…私とは住む世界が違ったのだ。 それを知ったのは、高校2年の夏だった―――。