その夜、血を吐いた。

寝る前に歯を磨いていた途中、吐き出した泡が紅に染まっていた。

驚きもない、苦痛もない。

過去こんな経験は一度だってないのに。

不思議と。





『ああ、俺死ぬな』





根拠もなくそう思った。