森の人

「そう言えば、サヤカさんは何て言われたんですか?」

コウヘイが聞く。

「私は…」

その時、

「来た!」

「澤山君が作った槍を持って、空洞の中へ」


「茜、起きろ!」

「ん、んー、何?」

「三匹目が来たんだ。早く奥へ」


!!!


獣の口が空洞内を襲う!

拓也が最後の袋を放り込む!

獣がひるむ!

男三人が槍を持って外へ飛び出す!

……。

外が静かになる。

「倒したみたいね」

安心するサヤカ。

「拓也ー」

茜が外に飛び出す。

!!!

再び聞こえ出す獣の悲鳴!

「茜!まだ出てきちゃ駄目だ!」

「キャー!」

「茜ーっ!」

「キャーッ…」

遠ざかっていく足音と共に、小さくなっていく茜の悲鳴…。

「どうしたの?」

サヤカが外に飛び出す。

「茜…」

ひざまづき、両手の拳を地面に叩きつける拓也。

その様子を、無言で見守るコウヘイ。

そして地面には、おそらく、獣の血だと思われる赤い滴が、森の中へ続いている。

三匹目の姿はない。

外に飛び出したはずの茜の姿も。