森の人

「今すぐには見つけられなくても、大学行って探せばいい」

「好きなものを見付けに行くための進学なら、十分意味があると思うよ」

その光りが、拓也の心の中を明るく照らす。

空を見上げている拓也の表情が、小刻みに震え始めた。

「僕が一緒に探してあげるよ。拓也が落ち込んだ時は、励ましてあげる。道を見失ったら、僕が照らして導いてあげる」

「拓也の支えになりたいんだ。…親友として」

澤山のその、純粋で一生懸命な想いが、拓也を温めていく。

「茂…」

小刻みに震える表情から…

「僕は、拓也の弱い部分も包んで、癒したい」

…、一粒の涙が。

だけど、それを澤山に気付かれないように、素早く澤山を胸に抱き寄せる拓也。

「サンキュ」

小さくそう言って、澤山の頭を撫でた。


木枯らし吹き抜ける、茶色い中庭。

二人が座っているベンチだけは、どこよりも温かく、淡い温かい色に包まれていた。