「きれ〜い」
一斉に沸き上がる歓声。
その歓声が止むのを待たずに、花火は色鮮やかに上がる。
「素敵…」
酔いしれる茜。
「…!」
突然その体が引き寄せられ、温かく、心地よい感覚に包まれた。
「拓也…」
茜の肩に、その頼もしい手を回し、抱き寄せる拓也。
二人寄り添い、花火を眺める。
「…」
二人に気付かれないように、そっとその場を離れる澤山。
耳に入ってしまった、二人の甘い言葉を、爆音にかき消した。
「…」
独り、花火を眺める。
ズキッ
『胸が痛い…』
恋の病…
他の病と同じで、自覚症状がでた時には、もうどうしようもないくらい進行している。
『僕は、茜さんの事が…?』
遠目に二人の方を見る。
ズキッ
聞こえてしまった、二人の甘い言葉が頭を流れる。
『…?』
『違う』
何が違うのかは分からない。
でも確かに、
胸が痛い…
花火はクライマックスを迎え、歓声がひときわ大きくなる。
『僕はあそこに、入ってはいけない…』
その瞬間、二人との距離を、おそろしい程遠くに感じた澤山。
黙って浜辺を、後にした…。
一斉に沸き上がる歓声。
その歓声が止むのを待たずに、花火は色鮮やかに上がる。
「素敵…」
酔いしれる茜。
「…!」
突然その体が引き寄せられ、温かく、心地よい感覚に包まれた。
「拓也…」
茜の肩に、その頼もしい手を回し、抱き寄せる拓也。
二人寄り添い、花火を眺める。
「…」
二人に気付かれないように、そっとその場を離れる澤山。
耳に入ってしまった、二人の甘い言葉を、爆音にかき消した。
「…」
独り、花火を眺める。
ズキッ
『胸が痛い…』
恋の病…
他の病と同じで、自覚症状がでた時には、もうどうしようもないくらい進行している。
『僕は、茜さんの事が…?』
遠目に二人の方を見る。
ズキッ
聞こえてしまった、二人の甘い言葉が頭を流れる。
『…?』
『違う』
何が違うのかは分からない。
でも確かに、
胸が痛い…
花火はクライマックスを迎え、歓声がひときわ大きくなる。
『僕はあそこに、入ってはいけない…』
その瞬間、二人との距離を、おそろしい程遠くに感じた澤山。
黙って浜辺を、後にした…。
