森の人

湿気が肌をベタベタとまとわりつく梅雨。

仲良し三人組の仲良し度は増すばかり。

この日も、

「いっけねぇ〜。傘忘れた」

「僕も」

「ドジねぇ〜。こんな時期に傘忘れるなんて」
「ほら、入れてあげる」

一本の傘に三人…。

当然収まりきらず、傘からはみ出した部分はずぶ濡れだ。

それでも、笑い声が耐えない三人。


その笑い声が、梅雨空のうっとうしい雲を振り払う。
そして、空高く届き、光り輝く太陽の陽と共に、眩しく降り注ぐ…


「夏は海よ」

夏休み。

茜の一声で、海行きが決定した。