澤山は起き上がり、出入口から外の様子を伺った。

「こ、ここは一体」

茫然とする澤山の目の前に広がる世界は、見たこともない原生林が生い茂る、深い森。

そして一歩外に出て振り返る。

「うわぁ〜」

後ずさりしながら、驚きと感動混じりのため息をつき、見上げる先には、一本の巨木。

澤山がいた場所、そこはその巨木の下の方、幹の部分にある空洞だった。