握った手を隼人が二度引き寄せる

「つぎ、降りていい?」

二人の最寄りとは関係ない駅

「いいです、よ」

緊張しながらやっとの思いで口を開く


シュー

音と共に開く扉

手を繋ぎながら二人

ホームに降りる


アナウンスがかかりしまる扉

電車が走り出す

しばらくして振り向きもせず

隼人が声を発した

「ねえ、俺さ」

くるっと振り向く隼人の顔が真っ赤で

「カナさん、好き。

俺、電車以外のカナさんとも会いたい」

「…!!!」

「カナさんはどう?」