「いつも7時14分の同じ電車ですよね」

少し照れたように左手を首筋に当てながら

彼が尋ねる

「はい、」

びっくりして彼の顔を見る

「って、はは。説教して自分が声かけてたら

支離滅裂すね」

「ふふ そうですね。」

彼の照れたような笑みが

私をまたどきどきさせた

「あの、俺 いつも見かけてて

ってストーカーじゃないんすけど

いつも気になってて あの、…もしよかったら」

文字通りしどろもどろな彼が

「名前聞いていいですか?」

出会いのきっかけを作ってくれた

「…! えっと、村杉夏菜です」

「俺、西高の竹村隼人って言うんですけど

もしよければ、また… 声かけていいですか?」

顔を真っ赤にした彼が

私のなかに飛び込んできた

「あ、俺 降りなきゃ」

扉が開く

彼が迷いながらも動き出す

「待ってます!!!」

思ったよりも大きな声で自分もびっくりして

彼は振り向いてにこっと笑った

扉がしまって彼が手を振る、

少し照れたけど軽く会釈すると電車が動き出す




ーまた明日