「暗くなってきたし、そろそろ帰りませんか?」



確かに…

けっこう暗い。



「じゃあ、俺は椎名を送るから、お前は日向を送ってやれ」


「はい」


え…今なんて?



「ほーら、真夕先輩。ボーッとしてないで帰りますよ」


「え、ちょっ…」


「まゆー!また明日ねー」



と、わたしに手をふって、香織と一之瀬くんは反対方向に歩き出した。



そして、わたしも、上城くんに強引に引っ張られながら歩き出した。



別に送ってもらわなくても、大丈夫なんだけどな。





「ダメですよ、先輩」


「え?」



「今、送ってもらわなくても大丈夫とか思ったでしょ?」


…だから、エスパーですか。



「少しは、自分が無防備だってことを自覚して下さい」


「そう言われても…」




わたしは、こう見えてけっこう強いと思うし。


いざとなれば、大声出して逃げれば大丈夫でしょ。