「「……」」




沈黙しているなか、わたしの耳に聞こえてくるのは…



瑛斗くんの心臓の音。


少し、暖かな風が吹く音。


グラウンドで部活をしている生徒の声。



そして、なすがままに抱きしめらているわたしの、心臓の音…



なんでだろう…


胸が瑛斗くんみたいにドキドキしてる。



それは、恥ずかしいから?


それとも、わたしも瑛斗くんを意識しているから?





…………わかんないや。




自分でもわからないこの動悸に困惑しながら、なんとなく頭の中に浮かんだのは…



なぜか、上城くんの顔で。








どうか、上城くんに、抱きしめらている姿を見られませんようにと…






なんとなく、心の中で呟いていた……