なんて思ってるうちに、その方向からいきなり現れた男の人が、香織に抱きついてるではないか!


「なっ…!」



何を…堂々といちゃついているんだこいつらはっ!




そんな言葉にならない悲鳴を心の中であげているわたしとは裏腹に、



上城くんと一之瀬くんはあまり興味なさそーに見ていた。



やがて、香織がわたしたちの存在を思い出したように、顔を赤らめてパッとその人から離れる。



今さらですね…ほんと。



「し、紹介しよう!この人があたしの彼氏の佐藤雄馬くんなのさ」



口調が変…


まぁ、それはいつものことか。




そして、香織の彼氏…もとい、佐藤くんは丁寧に「はじめまして」と言って頭をぺこっと下げる。