瑠哀 ~フランスにて~

 朔也はそれを受け取り、すぐにその中身を開けて行く。


 サッと、その中身に眼を通した朔也の瞳が大きく上がっていた。

 二枚目など、読み終える前に、驚愕を示した朔也の瞳がまたピエールに向けられた。



「――これは…?!」

「ルイはもうここにはいない」

「!!」



 朔也の体が考えもせずに、バッと、走り出していた。


 グイッ―――と、その肩を強く引き止められる。



「どこへ行く」



 感情など微塵も感じられないピエールの冷たい問い。



「ルイを追うんだ」

「もう、遅い」

「離せっ」

「もう、遅い。手遅れだ」



 短く、端的で、その事実だけを投げ捨てるように言い付ける。


 カッと、朔也の瞳が更に激しく見開かれた。



「すでに、昨夜のうちに発っている。明け方すぐに、フランスを発っている」

「そんな――っ!?―――なぜ?!」