サッと、それに目を通して行き、二枚目も素早く目を通す。
そして、その全てを読み終えたピエールの顔には、
愕然とした表情が浮かんでいたのだった。
普段、とてもじゃないが、この凍るように冷たいその表情が変わらないピエールが、
今この場で、愕然とし、
半ば絶望的な様子も伺えないでもないような表情をみせていたのだった。
ギュッと、掴んでいる手紙の端がきつく握り締められる。
それでも、まだ、ピエールは目の前にかかげている手紙から目を離すことができなかった。
キリッと、その眉が微かに揺れ、食い入るようにその手紙を凝視していた。
マーグリスはそのピエールの様子をとても静かに見上げていた。
「マドモアゼル・ミサキから、お二人に言伝を頼まれました。
勝手に消えてしまうことを、許して欲しい。
今までたくさんの世話になり、優しさをもらい、
見守っていてくれながらも、別れを告げずに立ち去ることを、許して欲しい、と。
我が侭を、勝手を、許して欲しい、とマドモアゼル・ミサキは何度も謝罪なさっていました。
このようなことがなければ、
マドモアゼル・ミサキもフランスにて楽しい余暇が過ごせたことでしょう…。
私も、本当に申し訳なく思っています。
―――どうか、マドモアゼル・ミサキをお責めにならないでいただきだい…」
「お前に言われることではない」
冷然とするほどに冷たくきつく言い捨てた言葉と共に、
ピエールの瞳が忌々しげにキリッと激しい鋭さを放っていた。
ふいっと、マーグリスなど無視して、ピエールが部屋から立ち去っていた。
その手に、瑠哀の手紙をしっかりと握り締めながら―――
そして、その全てを読み終えたピエールの顔には、
愕然とした表情が浮かんでいたのだった。
普段、とてもじゃないが、この凍るように冷たいその表情が変わらないピエールが、
今この場で、愕然とし、
半ば絶望的な様子も伺えないでもないような表情をみせていたのだった。
ギュッと、掴んでいる手紙の端がきつく握り締められる。
それでも、まだ、ピエールは目の前にかかげている手紙から目を離すことができなかった。
キリッと、その眉が微かに揺れ、食い入るようにその手紙を凝視していた。
マーグリスはそのピエールの様子をとても静かに見上げていた。
「マドモアゼル・ミサキから、お二人に言伝を頼まれました。
勝手に消えてしまうことを、許して欲しい。
今までたくさんの世話になり、優しさをもらい、
見守っていてくれながらも、別れを告げずに立ち去ることを、許して欲しい、と。
我が侭を、勝手を、許して欲しい、とマドモアゼル・ミサキは何度も謝罪なさっていました。
このようなことがなければ、
マドモアゼル・ミサキもフランスにて楽しい余暇が過ごせたことでしょう…。
私も、本当に申し訳なく思っています。
―――どうか、マドモアゼル・ミサキをお責めにならないでいただきだい…」
「お前に言われることではない」
冷然とするほどに冷たくきつく言い捨てた言葉と共に、
ピエールの瞳が忌々しげにキリッと激しい鋭さを放っていた。
ふいっと、マーグリスなど無視して、ピエールが部屋から立ち去っていた。
その手に、瑠哀の手紙をしっかりと握り締めながら―――

