朔也と瑠哀の手当てが終わり、
どうぞ休んで下さい、
という親切な指揮官と医者の好意で医務室に二人残った瑠哀と朔也。
朔也は瑠哀の手当てされた額を痛ましげに静かに見ていたが、
瑠哀の手を引き、そこにあった診察台の上に腰を下ろした。
すぐその前に瑠哀を座らせ、そして、両腕でしっかりと瑠哀の腰を囲うように抱き締めた。
それから特別何か話すでもなし、
瑠哀もただされるままなされるまま静かに朔也の前に座っていた。
何もかもが終わり、瑠哀をしっかりと抱き寄せている朔也の温かさが瑠哀の体にも伝わり、
それで、瑠哀はホッと安心していたのだった。
『―――くそっ。腹が立つ』
後ろの朔也が、ボソッと、呟いた。
その口調が、なんだが忌々しげ、と言った感じもしないではなくて、
瑠哀がビクッと体を震わせ、パッと後ろを振り返った。
『…傷が、痛むの?』
ふいと、瑠哀に向いた朔也は、
哀しそうに微かに眉を寄せて朔也を心配げに見ている瑠哀の顔を見て、
すぐに瞳を緩め、優しく微笑んでみせた。
どうぞ休んで下さい、
という親切な指揮官と医者の好意で医務室に二人残った瑠哀と朔也。
朔也は瑠哀の手当てされた額を痛ましげに静かに見ていたが、
瑠哀の手を引き、そこにあった診察台の上に腰を下ろした。
すぐその前に瑠哀を座らせ、そして、両腕でしっかりと瑠哀の腰を囲うように抱き締めた。
それから特別何か話すでもなし、
瑠哀もただされるままなされるまま静かに朔也の前に座っていた。
何もかもが終わり、瑠哀をしっかりと抱き寄せている朔也の温かさが瑠哀の体にも伝わり、
それで、瑠哀はホッと安心していたのだった。
『―――くそっ。腹が立つ』
後ろの朔也が、ボソッと、呟いた。
その口調が、なんだが忌々しげ、と言った感じもしないではなくて、
瑠哀がビクッと体を震わせ、パッと後ろを振り返った。
『…傷が、痛むの?』
ふいと、瑠哀に向いた朔也は、
哀しそうに微かに眉を寄せて朔也を心配げに見ている瑠哀の顔を見て、
すぐに瞳を緩め、優しく微笑んでみせた。

