その場を見守っている朔也も、つい、手を額に押し当てずにはいられない心境だった。
一応、冷静に瑠哀の診察をしている医者も、
その成り行きを見守っている指揮官も、
段々とその顔を複雑そうにしかめ出して行く。
これは?
――と聞かれ、古い傷です、と瑠哀が答える。
なぜ、瑠哀のような少女がこんなに傷だらけなのかは計り知ることができなかったが、
それを質問し続ける医者も、あまりに瑠哀が傷だらけなので、
かなり顔を強張らせたまま、
それ以上、質問することもできなかったようであった。
―――コンコン。
ドアのノックがされ、瑠哀と朔也は部屋の入り口のドアの方に目を向けていた。
「はい?」
失礼します、と礼儀正しい挨拶がして、そこから白いマリーン服を着た青年が姿を出した。
「失礼します。
こちらに、着替えをお持ちしました。
もうすぐ上陸しますが、濡れている服の着替えにこちらをどうぞ」
入り口で規律しているその若い青年は手に持っているものを見せて、差し出した。
一応、冷静に瑠哀の診察をしている医者も、
その成り行きを見守っている指揮官も、
段々とその顔を複雑そうにしかめ出して行く。
これは?
――と聞かれ、古い傷です、と瑠哀が答える。
なぜ、瑠哀のような少女がこんなに傷だらけなのかは計り知ることができなかったが、
それを質問し続ける医者も、あまりに瑠哀が傷だらけなので、
かなり顔を強張らせたまま、
それ以上、質問することもできなかったようであった。
―――コンコン。
ドアのノックがされ、瑠哀と朔也は部屋の入り口のドアの方に目を向けていた。
「はい?」
失礼します、と礼儀正しい挨拶がして、そこから白いマリーン服を着た青年が姿を出した。
「失礼します。
こちらに、着替えをお持ちしました。
もうすぐ上陸しますが、濡れている服の着替えにこちらをどうぞ」
入り口で規律しているその若い青年は手に持っているものを見せて、差し出した。

