「海軍の一部――ですか?
海岸警備隊に援助を頼んだのですが」
「そうですね。
この船は、正規マリーン兵の訓練用に使用されているものです。
私はこの船の指揮官をしています、ケーシー・マンセンです。
訓練中に、緊急の要請が入りまして、近場である我々も現場に向かい、
あなた達の救助に加わった、ということなのです」
「そうでしたか。お世話になります」
「いえ。お二人とも無事でよかった」
朔也とその男性―――船の指揮官と言った―――が会話しているのを静かに聞いていた瑠哀は、
そこで、目を大きく見開いて、凍り付いたようにその場で止まっていたのだった。
ふい、と背を向けた朔也のその背中を見て、
周囲の者が不審がりそうなほど強張って、
瑠哀はその場で立ち尽くしていたのだった。
「――マドモアゼルっ!?」
なにか驚愕した響きのその叫び声を耳にし、朔也はパッと後ろを振り返った―――
「――ルイっ!」
朔也は目を大きくして、振り返ったその視線の先の瑠哀を見返す。
凍り付いたように朔也の背を凝視していた瑠哀のその大きな瞳から、
突然、ツーッと涙だけが流れ落ちて行ったのだ。
瞬きもせずに見開いたその瞳から、大粒の涙だけが溢れこぼれ落ちて行く。
海岸警備隊に援助を頼んだのですが」
「そうですね。
この船は、正規マリーン兵の訓練用に使用されているものです。
私はこの船の指揮官をしています、ケーシー・マンセンです。
訓練中に、緊急の要請が入りまして、近場である我々も現場に向かい、
あなた達の救助に加わった、ということなのです」
「そうでしたか。お世話になります」
「いえ。お二人とも無事でよかった」
朔也とその男性―――船の指揮官と言った―――が会話しているのを静かに聞いていた瑠哀は、
そこで、目を大きく見開いて、凍り付いたようにその場で止まっていたのだった。
ふい、と背を向けた朔也のその背中を見て、
周囲の者が不審がりそうなほど強張って、
瑠哀はその場で立ち尽くしていたのだった。
「――マドモアゼルっ!?」
なにか驚愕した響きのその叫び声を耳にし、朔也はパッと後ろを振り返った―――
「――ルイっ!」
朔也は目を大きくして、振り返ったその視線の先の瑠哀を見返す。
凍り付いたように朔也の背を凝視していた瑠哀のその大きな瞳から、
突然、ツーッと涙だけが流れ落ちて行ったのだ。
瞬きもせずに見開いたその瞳から、大粒の涙だけが溢れこぼれ落ちて行く。

