「ご加減はいかがですか?」

「もう、かなり良くなりました。

皆さんにも、ご心配をおかけしました」


 マーグリスの声はとても穏やかだった。
 今までのような、他人を見下した態度や高圧的なものの言い方が全くなくなっていた。


 瑠哀はそれに少し笑み、


「セシルと話し合ったようですね。

どうやら、二人で力を合わせていく結論にたどり着いたと思ってもよろしいのかしら」

「ええ。

これも、全て、あなたのおかげです。

感謝しています」


「感謝などしないでください。

私は何もしていませんから。

それより――、あなたにお話があります。

セシルとユージンを引き取るなら、今すぐその手続きを済ませてください。

あなたが思っている、と言うのは、今回はやめていただきますよ。

そんな不安定な状態をユージンにまで押し付けるなど、

あなたもお考えになっていないでしょう?」


「もちろんです。弁護士をここに呼びましょう。

ユージンを私の正式な孫として認知します。

そして、セシルも」