「女はね、いつでも強くなれるのよ。

だって、子供を産むってすごいことでしょう?

そのすごさを知っているから、多少のことは問題じゃないの。

強くなれるわ。ユージンはあなたを必要としている。

だから、目を背けないで。

ユージンが、あなたに幸せをくれるのよ。

思い出して。

一人で抱え込めないなら、誰かに頼ればいい。

マーグリス氏と二人で頑張ればいい。

お互いに支え合って、助け合えばいいのよ。

ユージンを愛しているのでしょう?

このまま諦めてしまわないで」



 セシルは両手を口に当て、こみ上げて来る感情を抑えるようにした。

 うっうっ、と声を押し殺して泣いている。



 瑠哀は大きく腕を開いて、そのセシルを抱き締めるようにした。



「頑張れるよね。ユージンと一緒に」



 セシルは泣きながら何度も何度も頷いてみせた。