瑠哀は何度も何度もその言葉を繰り返しながら、ゆっくりとユージンの指を剥がして行った。

 そっと、それを床に置き、両手を伸ばしてユージンを抱き入れた。



「もう大丈夫よ、ユージン。

辛かったでしょう?

でも、もう大丈夫。

私がいるわ。

私がついているから、大丈夫よ」



 瑠哀はぎゅうと力一杯ユージンを抱き締める。

 ユージンを全て抱え込むように、ぎゅうっと強く優しく抱き締めた。



「ユージン、泣いていいのよ。

辛い時は、男の子も女の子も、泣いていいのよ。

思いきり、泣いていいの。

我慢する必要などないのよ。

ユージン、泣いていいの」



 ユージンはその言葉で切れたように、その瞳からポタポタと大粒の涙が流れ出した。

 ワァー、と嗚咽といっしょに大声で泣き出し、瑠哀にしがみついた。


 ただ、声を限りに叫んで泣いている。