だから君が



「しーつーこーい、しつこいです右京サン

もうそういうのは好きなこにしてください」

キュッと腕に力が入る

「そやかて、してるやんか

言ぃひんと伝わらんやろか」

「かっ、からかわないでくださいっ」

「もうそんなことゆうてると離さへんよ?」


耳元に息がかかる

「好きや」

ゾクッとする

右京の匂いに包まれるだけで

参ってしまいそうなのに

追い討ちをかけるように低く甘い声を響かせる

「日向子サンはどうえ?」

「俺のこと好き? それとも音だけが好き?」