だから君が


「もう、なにやってんですか

とめればいいんですか?」

申し訳なさそうに左手をあげる

「ネクタイも」

「フフッ はい。仕方ないですね、特別ですよ?

じゃあこれ持っててください」

ポケットからカイロを取りだし

右京の手に包ませる

第2ボタンから下を閉じると

右京が口を開いた

「こそばいわ」

「文句言わないでください」

はーい、と

少しすねる右京のボタンを閉じ終わり

屈んだ右京の襟をたて

器用にネクタイを結ぶ

「人のネクタイなんて初めて結びましたよ」

「なんか新婚サンみたいやね」

嬉しそうに笑い出す