俯せに寝かせる右京の左ふくらはぎに

優しく触れる

「床寒いかもしれないですけど

ちょっと我慢してくださいね」

「うん、」

明らかに怖がっている

そんなに悪化してるのか

「はぁ、」

「何? なんなん、日向子サン」

「もう、…頑張りすぎですよ。

こんなになるまで」

親指で筋肉と筋肉の間を優しくほぐす

「そないなことあらへんけど、

でも、気持ちええ」

少しはしゃいだような声を出す

張っている筋は触ると痛そうなので

まわりの筋からほぐしていく

筋肉質な脚

バネになりそうなしなやかな筋肉がある

バスケ部の割に細く、それでも

引き締まってしっかりとついているという印象


しばらくほぐしていると

寝息が聞こえ出す

「えっ、嘘。

こんなとこで寝たら風邪引きますよ」

腰の辺りを揺らす

それでも起きなくて

…、かわいい

寝顔に見惚れてしまっていた

ーハッ

じゃなくて

「右京サン、右京サーン」

「わ、寝てしもた。えろう気持ちええさかい」

まあそうか、

毎朝6時から朝練始めて

夜も8時過ぎても帰ってないんだから