「あっ、おはよーさん。

またきてはりますの?」

「そう、またきたんです」

ふぅっと息をはき、朝6時

冷え込んだ体育館の入り口にしゃがむ

「いかがやったやろか、俺の今日の音?」

歯を見せてにっと笑う

「左足アップ不足なんじゃないですか?

筋、張ってますよ」

「音のこと聞いてはるんやけどー」

すねたように声を出す

「日向子サン、俺の音好きなんやろっ?」

嬉しそうに笑う

「もう、うるさいです。音だけです、音だけ」

「それでもええわ、嫌われてへんなら何でも」

ヘヘッと笑い隣にしゃがんだ