「ぱぱー!ままー!こっちぃー!ももとお兄も早くー!」
「まってよ朱愛ー、そんなに急いだら転んじゃうよー」
9年前のあの日。
あたしたち家族は、あたしの誕生日祝いで、ディズニーランドにきてたんだよね。
あたしは家族のみんなにお祝いしてもらって、うれしくてうれしくて、バカみたいにはしゃいでた気がする。
もう記憶が薄々になってっるっぽい。
最初にみたのはメリーゴーランドからのキラキラした風景。
パパと亮、あたしの兄はさすがに乗らなかったけど・・・。
そしたら亮がいきなり駄々こねて
「俺、ジェットコースター乗りたい!」
とか言い出してさ。
のれないこっちの気にもなってよ。
だからあたしはママと桃愛、もとい妹のももと、見てるだけ、
の、はずだった。
パパと亮があたしのほう見て笑ってんだもん。
その時は全然分かんなかったけど、いまになればわかる。
「おまえも行くんだよ」
みたいな、ね。
まぁ、あの時も無理やりつれて行かされたんだけどね。
気づいたら乗り終わってたんだけど、記憶では、乗る前のあたしのすごい悲鳴と乗ってる最中の悲鳴と・・・あとは意識途切れてた。
パパに聞いた話だと、乗ってる最中に、白目で意識飛んでたらしいあたし。
ほんとお恥ずかしい。
周りの皆さん、うるさくしてすみませんでした。笑
まぁ、意識ぶっ飛んじゃったから二つしか乗り物乗れなかったんだよね、あたしって本当馬鹿。
目が覚めた時はパパに抱っこされてて、夜になってたんだっけ?
「あ、朱愛起きた?」
「ぱぱぁ?ここどこぉ?」
「いまから車にいくんだよ。楽しかった?」
「うんー、楽しかったー!次ケーキ食べたい!ケーキ!」