「好きやねん。俺、おまえのことずっと好きやった。」
帰り道にあたしの手を握って、君はまっすぐな目で言ってくれた。
「え、俺に?・・・まじうれしいんやけど。ほんま、ありがとな」
バレンタインデー、あたしが作った焦げたクッキーを君はしれしそうにもらってくれた。
「おまえは一人やないねんぞ?抱え込むなや・・・・・」
親と喧嘩して目を腫らしてないてたあたしに、君は手を差し伸べてくれた。
「これもっとけ!約束や!俺は、おまえとどんなに離れとったって、ずっとおまえが好きや!やから、俺をまっとけ!いつか、いつか必ず、お前を迎えにいく!」
・・・・・あたしが聞いた、最後の言葉。
いまもずっと、覚えてるよ。
君の笑顔。
君の声。
君のぬくもり。
君との、最後の約束。
けど、先に約束を破ったのはあたし。
サイテーだ。
なんで、記憶なんてなくしちゃったんだろう・・・・・。