君が好き





「どうすっか」

「…うーん」


ふらふらとたどり着いた先、
駅の掲示板を見ながら首をかしげる。



この前の中庭も、
さっきも。


好きだと言おうとすると加藤はそれを遮る。


鈍いやつじゃないから
きっと加藤は気付いてる。

それで
わざとそれを遮るのは…。



言わせたくない、理由があるから。




「あ。」


路線図のずっと先。


見つけた街の名前。






「行こうか、
   昔の街」






加藤の、
俺の好きな人の、

大切な街。