自分より少し低い位置にあるその顔。

ほんのり赤い頬に、少し垂れた目。
綺麗に通った鼻。

とても、綺麗な顔だと、思った。



「あ、じゃあ…」


なんだか変態チックな思想は
彼女の声に遮られた。


「お願いします。」


笑うと口角が綺麗に上がり、
その先にくっきりとえくぼが見える。
よく見ないと気付かないほどだったたれ目は、
分かりやすく下がり。

息がとまった。


つまり、綺麗だった。



「あの…」

「あ、はい。
なんでしょうか?」


どぎまぎしながらも
出来るだけ落ち着いて言葉を返す。


「若葉病院に、行きたいんです。」