君が好き





この学校は大学も付属でついてるからほとんどはそのまま進学可能。


だけどたまに山田みたいに外部へ進学する奴がいたり、
付属の大学とはいえ、レベルの高い学部を受ける奴がいたり。


ほかの高3に比べれば緩いだろうが
受験ムード、たるものが徐々に学年に流れ出していた。



「はぁ、俺は毎日毎日、寝る間を惜しんで勉強して…」

「まぁ、さ、山田。
たまには息抜きも…

あ。

じゃあさ
今日、祭行こう。」


こちらの声に顔を上げた山田はしばらく黙った後、ポツリポツリとまた話し出す。



「息抜き、祭…」


「そうそう、
たまには気分転換も必要だろ?」
「え!かいちょ、ムグッ」

反対心丸出しの千田の口を押さえていると、山田がパッと顔を上げた。



「よし。そうだな。行ってみよう。」