君が好き






「え?」

「あ、今じゃなくて。
中学の時、中2のとき。」


やっと硬かった表情に動きが見えるようになった。


「で、そのとき、すごく、すごく、周りの人に支えてもらいました。」

すごく愛しそうに笑う加藤に
ほんの少し胸は痛むけど、
でも、こっちまで幸せになるんだ。

本当に。



「…それで、特に……」



なんとなく話が見えてきてしまった。


鈍感なくせに
こんなところで察してしまう、わかってしまう自分が憎い。



特に支えてたのが、タカシだ。
それで、多分、会長のことは嫌いではないけど、やっぱりタカシが大切だって、きっとそういう話だ。



「…特に、私のことを元気付けてくれた人がいて。」


ほら、やっぱり。


「文化祭のときに来てた、あの…」

「タカシ?」

「え?なんで…」


驚く加藤に苦笑した。
それは、驚く加藤がまた可愛いって、こんな場面でさえ思ってる自分に対しての苦笑。


「ごめん、加藤に嘘ついてたことがある。」

ほら、俺今から振られんだぜ。
そんなときに可愛いなんて思ってる場合じゃねぇだろ。


「みたんだ。遊園地で、加藤と、その…タカシ?」

「え、」