「あの、ですね」
水を置いたところでやっと話を始めた。
まだ落ち着かない様子で
視線も揺らしている。
「私、あの…」
「加藤、」
自分の告白の返事をされる。
それは、良いものではないかもしれない。
加藤の先ほどからの暗い顔を見ていたらそんなことさえ考え出したんだけど。
そんなことよりも何よりも俺は。
「絶対、大丈夫って。」
こんなに緊張してまでも伝えようとしてくれている加藤が嬉しくって。
だけど不安で。
「すっげぇ、嬉しかったよ」
出来るだけ優しく笑った。
こんなにも自分が優しく微笑むことが出来るのは、
伝えることが出来るのは。
「なんで、わかったんですか、私って…」
「ん?加藤が好きだから」
加藤が、こんなに好きにさせてくれたから、なんだよ。


