君が好き




選んだのは無難にファミレス。

ある程度騒がしいけど
そんなにお客さんはいない。


「あの、あのですね」
「あ、待って」


席に着くなり意を決したように言葉を漏らした加藤にいったん制止をかける。

…いや、はやく聞きたいのは聞きたいんだけど。



「なんか頼まないと。」


笑ってしまう理由は、
加藤があまりに照れたような顔をするから。


可愛くて愛しくて。


「あ、そっか。
えっと、じゃあドリンクバーでいいです」

「うん、俺も」


早く話を始めたいから、
なんて言葉は飲み込んだ。



「ドリンクバー二つで

加藤、なに飲む?とってくる」


「あ、えっと、水で」

「…了解」


なんだよそれ、
ドリンクバーで水飲むなよ。

なんて、からかおうと思ったんだけど。


加藤の顔を見てやめた。


多分、すごい緊張してる。

赤い頬はそのままに
目も少しうるんでいて。


なにを言おうとしてるのかわからないけど
加藤、頑張れ。
無理しないでいいから。