君が好き






考えてみれば、
加藤はいつも突然現れる。

出会いも、再開も。
距離が縮まった時だって。


「…なにしてんだろ」


加藤の家はここじゃないだろ?

なんでここに…。
誰かと用事?
誰か待ってる?


なぁ、加藤。



もしも俺が声をかけたら。


君は、どんな顔をするのかな?







「ゆーいち、行かねぇの?」
「え?あ、うん、
ごめん、ちょっと、先に行っといて」


例え、
誰かを待っていたんだとしても。
用事があるだけだとしても。

それでも俺、嬉しいんだよ。

加藤に会えたって、それだけのことが。