君が好き






ワイワイと高校生の団体が電車に乗り
ものすごく世間の人に白い目で見られ、
乗り換えの駅のデパ地下でなんだかんだとお惣菜やらケーキやらを買い込んでいれば
時刻はもう18:00。


「どんだけ時間かかってんだよ…」
「あの駅前のやつも買おうな!」
「は?お前まだ食うのかよ?」
「たんねぇだろまだ!タケルとかサナエも誘っといたから!」
「おま…」

登場したのは
中学の時の同級生の名前。


…なんだ、これ、落ちてたら俺やばくないか?



にわかに感じる危機感。

でもまぁ、



「あのさ、」

「ん?あ、会場はもちろんお前の家だからな!」


…入るのか?果たして
て、まぁ、そんなことは置いといて。

「…あのさ、ありがとな」

照れてしまって最後はうつむいたけど、
多分、聞こえてたと思う。



「なによ!急に!」


しばしの沈黙のあと、そんなことを言ったのは菊池。


「気持ち悪りぃな!」

口々に好き放題言うこいつらが
大切だ、すごく。


「ごめんごめん、よし!いっぱい買ってくぞ」

「中学の時の子とか何年ぶり?」
「もう2年ぐらいあってねぇや」
「うわぁ!絶対、上本かっこ良くなっちゃってて、ってやつじゃん!ライバル増えるー」
「え?菊池、まだ俺のゆーいちを!」
「いや、お前、いま彼氏いんだろ」
「それはそれ、これはこれ、よ!」
「なんだそれ」


ワーワーギャーギャー騒ぎながら降りた自分の駅。


この先、高校の方向に進むこの電車。


もしかしたら、
加藤がそれに乗るかもしれない。


もしそんなことがあるなら、
それってすごい運命だよな。


なんて、
確かめる術なんて、そんなものはないんだけどさ。