君が好き





「卒業しても、会ってくれる、だろ?

それともお前は外部に行った奴なんて会ってくれない?」


歩きながら言った俺に対して
千田はその場に立ち止った。


「…千田?」


「会長…」



振り返ってみれば、
千田は何やら下を見ている。

うつむいてるってより、
下を向いてるんだ。



なんだ、あいつ。



「おい、おいてく…うわぁっ!」


叫んだ理由は。




…ちょっとした交通事故。


「…お前、何だよ急に…」

そう、千田が飛びついて来たのだ。


「会長!会う!いっぱい会う!」

「はいはい、わかったから。
重い、降りろ」

「やだ!このまま帰る!」

「なんでだよ!」


へばりつく千田を引き剥がそうと必死にその頭を押しているのだが、どうしても剥がれない千田。


「会長!好きです!大好き!」

「はいはい、わかったからお前…」


ほんと、なんなんだよこいつ…。
なんだか笑ってしまえば千田も笑う。


「お前は笑うな」

「会長が笑うと私も嬉しいんです!」

「じゃあ降りろ!そしたらめっちゃ笑うから」
「嫌だー!」