「かーいちょ!」
千田のそんな声が聞こえたのは、
寒さが日に日に厳しくなる12月。
「お、千田、久しぶり」
自然と視線は加藤を探してしまうあたり、本当に俺は凝りもせずにまだ彼女の影を追っている。
でもまぁ、存分に好きでいようと思ってからはいくらか気が楽だった。
期限は3月、卒業式。
それまでは…。
「お久しぶりです」
やったらでかいセーターを着込む千田は相変わらず人懐っこく笑い、
それがなんだか懐かしくってこっちも笑顔がこぼれた。
「かいちょ、外部なんでしょ?」
自然と隣に並んで帰る流れになり、
ゆっくりと歩き出す。
マフラーをぐるぐるに巻いていてもなお、千田は寒そうで。
「うん、一応な」
結局、志望校は付属の大学とそんなにレベルの変わらないところにした。
だから、別に外部にする必要なかったっちゃ、なかったんだけど。
「…ふーん、
じゃあ、卒業したら本当に全然会えないんだ」
「だなぁ。
まぁ、内部でも大学は別だし変わんないだろ」
とはいえ、
千田の言いたいことは分かる。
内部なら、まだ距離は近い。
だけど。
「…でも」
「千田。」


