言った瞬間、
加藤の目からこぼれた涙。
やっぱり、泣かせてしまった。
世界一、大切な人を。
「ごめんなさい」
もらった返事なんかより。
加藤の目からこぼれる涙の方がよっぽど辛い。
「加藤、泣かないで」
フラれたことなんて、ちっとも辛くないから。
君が笑ってくれないことの方が
よっぽど辛いから。
屋上で泣いていたときのように
加藤は目をこする。
「目、腫れるって。」
違うのは、
あの時のように手を掴むことはしない。
あの時は、
加藤の彼氏になりたかった。
でも、今は違う。
俺は加藤の友達に、
なりたい。
「そんなこすったらブスになるぞー」
そのためにも言いたかった。
言っておきたかった。
好きだってことを。
好きだったってことを。
