「でも、風波さんって…なんか、すごく『完璧な人』ってかんじだよ」


完璧…


「えーそんなことないけどなー…。別に普通じゃない?」


「普通っていうのは私みたいな凡人のことで―風波さんは、皆から一目置かれている『特別な存在』だから!」


そういう言われ方されると、私が浮いてるみたいじゃん…。


やっぱり、私変わりたいな。


こんなポジション、まるで…引退したメジャー選手みたい。


なんにも良いことないよ、今の私のポジション。


~~~~~~~~~~~~~~~~~


「でね、海斗と付き合うことになったの~!」


「わーすごーい!海斗結構モテ男なのに」


「いいな~うちも彼氏ほしー」


聞こえてくる。聞こえてくる。


そういうノロケ、自慢でしかないから。


でも、こういう本音を正直に口にできないのが私であり…


ほんと、不便だよね。。


「わーいいなー。そういえば、りあちゃんって彼氏いるの?モテそうだけど…」


親友のともちゃんが聞いてくる。


親友っていっても、よく一緒にいるくらいで、


お互い名前は「ちゃん」付けだし、


私は素をさらけ出してないから


正しくは、親友とはいえないかな。


優等生?優等生はモテる?なによそれ。


私、15年間一度も彼氏いたことないんですけど。


告白だってされたことないし、誰がするもんですか。


「いや、彼氏とかはまだ早いし、好きな人いないから…」


「そっかー。じゃあ、あかねはー?


「えー…」


あかねは、人見知りしちゃう子なんだけど、気軽に話しかけられるから


ともちゃんとあかねと私はいちおう仲良くしてる。


「あたしは…告白されたことはあるんだけど…」


!?